ヴィルヘルム ヴント
ヴィルへルム ヴントは ドイツの心理学者です。高校時代まで 学校も勉強も嫌いで 転校したくらい 嫌だったそうです。学校嫌いだった私は かなり好感持ててしまいますw 彼の猛勉強は ハイデルベルク大学の医学部に入学してからのスタート、そこから 学者さんに成れてしまうなんて 凄いですね!
大学を 卒業した翌年の1858年からの五年間、彼は ヘルツホルム(ドイツの生理学者、物理学者)の助手を していたので ヴィントは 生理学者でもあるんですね。その他に 哲学者の顔も持っています。1874年には スイスのチューリッヒ大学の正教授になっています。前年の1873年には 生理学的心理学綱要の前半を 出版しています。博学ですね。因みに 彼の息子のマックス ヴントは ドイツの哲学者です。
世界初の心理学研究室
それまでの哲学的な心理学とは 違う実証的な構想で 実験心理学初の書籍、感覚知覚説貢献を 書き上げます。そして 1879年には 世界初と言われる 実験心理学の研究室を 開設します。ここには ヨーロッパ、アメリカ、日本からも 心理学を 探究する多くの研究者たちが 集まり そこから 心理学という学問の分野が 成立したと言われ 1879年は 近代心理学が 成立した年と広く認識され ヴントが 心理学の父(実験心理学の父)と呼ばれる所以になっています。
意識は要素によって構成される
ヴントは 心を 形ある物体と捉えるのでは 無く、意識に注目しました。要素主義の要素とは 心的要素、さまざまな心的要素の働きが 統覚によって結合されるという考え方です。心的要素の働きとは 感覚のことです。ヴントは 意識の要素に注目し 研究しました。故に要素主義と言われます。ヴントの考え方は 後にエドワード ティッチャナーによって 構成主義心理学と呼ばれるようになります。心理学の学派によっては ヴントの心理学を 構成主義と教える場合もあります。構成主義とは 意識は 要素の結合によって 構成されている という仮説に基づいたものです。意識内容を 要素(心的要素)に 還元していく結合法則を明らかにしようとした考え方のひとつです。それが 要素還元主義、要素主義は 要素還元主義と同じ意味合いだと考えると ヴントは 構成主義とも言えるわけです。ややこしいですね(笑)
内観法
内観法は ヴントが 考え出した方法で 心理学研究の為に 自分自身の精神状態を 観察する方法、内観法を 行うには 訓練を 受ける必要が ありました。近代心理学では 主観性の高い内観法からは 離れ、客観性の高い行動に注目するように移行していきました。 日本発祥の心理療法のひとつにも吉本伊信が開発した内観法(内観療法)というものが あります。吉本伊信については 今後、記事にしようと思っています。
多くの批判
ヴントは 心理学の独自性の確立に 大きく貢献しましたが その実験方法や内観法の被験者の性格や環境による言語修得の違いなどの多様性から、データの信憑性や研究対象について 多くの学派から 批判を 受けた人でもあります。しかし その批判から議論と研究が 繰り返され、行動を 心理学の対象として捉える行動主義心理学、構成要素だけでは 意識を 説明できないとする全体観を 重要視したゲシュタルト心理学、無意識を 重視する精神分析など 批判した学派側の心理学の大きな発展に繋がったとも言えます。
あとがき
いかがでしたか? 学校嫌いのヴントさん、面白い人物ですね、グッと興味が わきました。ヴントは 生理学者だったので 随分と生理学的な検知から 心理学の構成を 試みたようですよ。お父さんが 神父さんだったり ご本人や息子さんも 哲学者だったんで 宗教的、そして哲学的な観点からも 意識・・・というものに 深く のめり込んでいったのかも しれませんね。
[関連リンク]
ヴントについて もっと知りたい方は こちらのサイトも お薦めです!https://kokoronotanken.jp/shinrigakuno-chichi-wilhelm-wundtno-10no-kotoba/
心理学の起源は 古代ギリシャだった https://mika-abe.com/?p=996
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